感覚障害あれば水俣病認定 環境省、最高裁

水俣病の患者認定について、環境省は、原因物質のメチル水銀との因果関係が認められれば、手足の先のしびれなどの感覚障害だけでも認める方針を固めた. 別の症状との組み合わせがなければ事実上認めてこなかった従来基準を弾力的に運用するよう求めた昨年4月の最高裁判決を受けて方針を転換し、新たな運用指針となる通知を出す予定. 一方で、認定業務を担う熊本県の蒲島郁夫知事は、国による認定審査と、公害健康被害補償法に基づく補償体系自体の見直しを求めており、環境省の方針との隔たりは大きい. 水俣病の認定は1977年に国が定めた基準(77年基準)に基づき、熊本、鹿児島、新潟各県と新潟市がおこなっている. 77年基準では、手足の感覚障害のほかに、運動失調、視野狭窄(きょうさく)などの症状があることを原則としており、感覚障害のみではほとんど認定されなかった. これに対し、昨年4月の最高裁判決は、複数の症状がなくても「個別に検討して認定する余地がある」との判断を示した. 新たな通知は、基準を変更するものではなく、「補足」という位置づけ. どのような場合にメチル水銀との因果関係が認められるのか、環境省と熊本県が協議してきた. 通知案では、メチル水銀を摂取した当時の毛髪やへその緒などによる体内の有機水銀濃度や、汚染された魚介類の摂取状況、家族や居住地、発症時期などの生活歴を留意点に挙げる. ただ、公式確認から60年近くが経った現在では因果関係の証明は困難だ. 新たに認定される患者は限定的とみられる. 過去の審査結果は見直さず、棄却された人も再審査をしない. 水俣病の認定をめぐっては、国の公害健康被害補償不服審査会が昨年10月、熊本県の審査で棄却された感覚障害のみの男性を「認定相当」とする逆転裁決をした. 熊本県は男性を患者認定したが、環境省は「あくまで参考事例」としたため蒲島知事が反発. 「認定業務の返上」を表明した. (香取啓介) ◇ ■「実態に反するごまかし」と批判 昨年4月の最高裁判決を受けた国の公害健康被害補償不服審査会の裁決によって、11月に熊本県から水俣病と認定された男性を支援した水俣病被害者互助会事務局長の谷洋一さん(65)は、国が準備中の通知案が留意点として毛髪やへその緒の水銀値などを挙げていることについて、「そうした記録が残っている人は少ない. この内容で審査したら、最高裁判決や不服審査会の裁決を受けて水俣病と認定された人たちが、認定されないことになる. 今の認定基準(77年基準)よりも認定しにくくするもので、環境省は最高裁判決を全く無視したと言わざるを得ない. 被害の実態に反するごまかしだ」と厳しく批判した.

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